2014年5月13日火曜日

心得 第四十一 「後輩いじめは最大の卑怯」

職務と私情を混同するなの一項で「絶交中の同僚とも仕事は仲良く」に続くものでる。

《ましてや、日頃から何のゆきがかりもない同僚と同役を勤めることになったときには、なおさら親密な関係をつくるようにするのが当然のことであろう。
それを、ややもすれば、同役との権力争いをする者や、また相手が新任で万事に不案内な時には、いろいろと気を使ってやって、手落ちなく勤めさせるという先輩らしい配慮もせず、不慣れなための失敗でもあれば、喜んで騒ぎ立てるものがあるが、まことに見苦しいともきたないとも、批判のしようもない次第である。このような心がけの武士は、いったん、変事が起こった場合には、必ずや味方がとった首を奪ったり、味方を売ったりといった卑怯きわまる大不義をやってのけるような者である。よくよく警戒してつつしまねばならない。
以上、初心の武士の心得として申すものである。》


公務、いわゆる職務があって、役割が与えられるのである。
義理を完成させるのが武士である。
私情に左右されず、理(事割り)に従い、判断を的確にするのが武士である。
味方を援け、勢力を増強することは忠義である。
味方を損ない、勢力を減退することは不忠である。
《強きを挫き、弱きを助ける》侠気を尊び、怯懦を警戒したのである。
私情ではなく、職務を判断の基準におくことを説いている。
吉田氏の【解説】は『職務と私情を混同するな』の講を次のようにまとめる。
武士の意気地を尊ぶ立場からすれば、藩中の傍輩同士が絶交状態に陥ることもあながち非難はできない。だが、ご奉公のために必要とあれば、わたくしごとの遺恨はしばらく棚上げにして、一致協力して主君に尽くせということである。

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