2014年7月3日木曜日

心得 第六十 「陰口には怒るのが当然」

大口はたたいても悪口はいうなの一項で、「大名と医者の悪口は禁物」から続くものである。
《もしも自分が、人から悪いうわさを言いふらされているということをたしかに聞いたとしよう。その時には、「何とも承服できない。なにか恨みでもあれば他にやりようもあろうに、陰口を言って歩くとは、まことに侍らしくもないけがれはてた根性の奴だ」と愛想を尽かさずにはいられまい。さらに、いかに陰口とはいっても、こととしだいによっては聞き捨てにしておくわけにいかぬこともあろう。
たとえ聞き捨てにしておいたとしても、その恨みは長く心に残るのが当然である。そのように考えると、他人の陰口などというものは、自分の事を人がどのようにいって回ろうとも、一向に気にしないような馬鹿者でない限り、するものではないと承知しておくべきであろう。
わが身を振り返る、わが身に置き換えて考えることを説いている。
武士は面子を重んじた、名を惜しんだのである。その名がけがされることは最大の侮辱である。そうしたことを思わずしでかすことのないよう自制するに当たり自省をを求めた。

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